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中共新指導部の鶏肋 「水力発電所開発」

2012年11月24日
【新唐人2012年11月24日付ニュース】中国メディアの報道によると、温家宝首相の退任後、中国共産党の新指導部は2020年のエネルギー目標達成のため、新たな水力発電プロジェクトを大幅に増やすそうです。水力発電は中国政府の言うように、本当にクリーンなエネルギーなのでしょうか?このようなエネルギー開発方式は中国に適しているのでしょうか?
 
中国政府は2020年までに発電量を50%引き上げると同時に石炭消費量を削減し、輸入天然ガスへの依存を減らすことを計画しています。イギリスのBBC放送は、このような厳しいエネルギー供給への挑戦に直面し、中国共産党新指導部は水力発電プロジェクト推進のほかに選択肢はないと報道。なぜなら、石炭による火力発電や原子力発電は人々から支持を得ることがさらに難しいからです。
 
温家宝首相は在任中、自ら一部の水力発電プロジェクトの阻止に着手し、現地住民の抗議を回避させました。BBC放送は“中国水力発電プロジェクト学会”の張博庭副秘書長の話を引用し、温家宝首相在任中、多くの水力発電プロジェクトは棚上げされ、2006年から2010年の間に認定された優先プロジェクトのうち、わずか三分の一が施工されただけだと報道。
 
しかし、中国当局はこの10年間、水力発電の大々的な開発を計画していました。国家エネルギー局の張国宝局長は2010年8月、中国メディアに対し、“2020年に非石油化学エネルギーが一次エネルギーに占める割合を15%に到達させるには、水力発電が9%を占める”と明かしました。
 
ロイター社はアモイ大学中国エネルギー経済研究センターの林伯強主任の話を引用し、“水力発電がベスト選択であるわけではないが、これは唯一の選択である“と報道。
 
しかし、水力発電をめぐって、当局と民間の間では長い間、意見が分かれています。当局は、水力発電はクリーンな再生可能なエネルギーであり、しかも開発技術もすでに成熟していると主張。一方、学者や環境保護活動家は、水力発電建設には大量の人口移動、水や土等の流失、環境破壊などの問題が伴い、生態環境コストや社会コスト、補修などのコストを考慮に入れると、水力発電は中国で最も高価なエネルギー形式であると指摘します。
 
四川省地鉱局のチーフエンジニアで、水利専門家の範暁(はん ぎょう)さんは、問題は今の中国の水力発電開発モデルは選択肢がないことにあると指摘します。
 
水利専門家 範暁さん
「選択肢がないというのは『全江全流域のカスケード式開発』と呼ばれる自然の河流すべてをダムに変えてしまうからです。つまり水力発電の資源を最大限に利用したいのです。しかし 他の方面に起こりうる問題を考慮していません。水資源は総合的な資源であり、発電のためだけのものではありません。だから 河流のすべてを階段状のカスケード式ダム群に変えてはなりません。持続的な発展と、総合的な協調の点から見れば間違いなく問題があります」
 
中国の最も典型的な水力発電プロジェクト“三峡ダム”を見て見ましょう。最大水位175mにまで貯水を行い、26台の発電ユニットをフル稼働させた場合、毎年847億キロワットの発電が可能です。2008年から試験的貯水を始めた三峡ダムは、2010年になってやっと175mの貯水目標を実現しました。
 
水利専門家 範暁さん
「今のこの発電方法は矛盾しています。発電するには175mまで貯水する必要があります。ここ2年は175mまで貯水できていますが、しかし これは下流の干ばつを代価にしています。洞庭湖や鄱陽湖、長江の中下流を含めて、貯水時になると水位が急激に下降します」
 
三峡ダムが貯水計画を達成したこの2年間、中国最大の淡水湖“鄱陽湖”は、5月になると枯渇し、2番目に大きな“洞庭湖”も観測史上の最低水位を記録しました。2大湖の中心部は草原に変貌し、水産物の養殖も大きな打撃を受け、漁民の生計も苦しくなりました。
 
中国の民主活動家 郭永豊さん
「中国のような体制下で、この様な規制の下で、資源の浪費、環境汚染は特に深刻です。目先のことばかりで、先を考えません。悪循環を作ってしまい。これは環境の災難です」
 
北京の戦略情報分析会社―アンバウンド・グループ(ANBOUND GROUP)のアナリストは先日、中国の生態環境は、中国が欧米国家のような水力発電の開発を行うことは許さないと指摘しました。
 
また、別の統計では、中国の多くのダムには深刻な安全問題が存在しています。一旦ダムが決壊した場合、甚大な生命や財産の損失、環境破壊を招いてしまうと指摘しています。
 
新唐人テレビがお伝えしました。
(翻訳/赤平 編集/坂本 ナレーター/萩野 映像編集/工)
 

 

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